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2008年6月 3日 (火)

ケースバイケース

先日近隣の市からお越し頂いたかたで、眼鏡処方箋で製作したところ、装用感に不具合があるとのことで、こちらでレンズの入替を前提に調べて欲しいという依頼がありました。

34歳男性
経6年旧眼鏡
RS-6.00C-1.25AX180 dominant
LS-5.50C-1.50AX180 両眼視力1.2~1.5
光学中心間距離OCD64mm

現眼鏡=処方
RS-5.25C-1.00AX180
LS-4.75C-1.00AX180
瞳孔間距離PD64mm  
この眼鏡の装用視力は両眼1.0~1.2でした。

お聞きしますと処方時検査員には、パソコン作業も
するし、車の運転もする、と伝えた。いわゆる常用を希望。
旧眼鏡に特に何も無かったが、レンズの劣化を含め見にくい
感じもあった。
検査員は今の眼鏡は視力1.5で強いから疲れるだろうと
推測し、弱めにしておくが、車の運転をするので
1.0以上保持しておくので大丈夫、とのことだった。
(免許視力は普通免で0.7以上)

しかし「現眼鏡は度を弱くしたはずなのに、かえって疲れる」「近くも遠くもモノを見る時に力を入れて見いてる様な気がする」とのこと。このことを処方したところへ言いに行ったが、いままで強い眼鏡に慣れていたので、慣れの問題であると説明される。

(弱くして疲れるのは実は珍しい事例ではないです)

さてそこで、まず度数測定をしてみました。
裸眼視力R0.02 L0.02
PD64mm R32.5mm  L31.5

<<屈折>>
R(1.5)S-6.00C-1.00AX175
L(1.5)S-5.50C-1.25AX5
両眼装用視力1.5

02290095<<両眼視機能測定>>
[8]7exo [12a]φ
[13b]15exo 3.2△/D [18a]φ
[14a]R0.75 L0.75
[11]x/13/9
[9][10]8/9/3
[17ab]x/20/13
[16ab]x/20/13  (その他略)

A/B

equipment:TEST-FRAME547simple-LO
               VISIONTESTER-D改(KAI)
             ツインチャート
        チャートプロジェクターCP-30
        オリジナル近用チャート

この時点で、常用としてもしプリズム補正をするのなら
2.0PBINでS.FUSIONの喚起を無理なく促せます。
もしくはS値として0.50D(0.625)

装用テスト(立ち歩き・近見)で最終的に
RS-6.00C-1.00AX175 (プリズム無し)
LS-5.50C-1.25AX5 PD=OCD64
が遠くも近くもすっきりして、負荷が掛からず、より
立体感も鮮やかということでを採用することになりました。

(この度数は∞に対しては弱矯正ではある)

どうして現眼鏡よりも度が強いのに、
「すっきり」+「負荷無し」という返答があったのでしょう?
乱視の度数や角度などは大きな問題ではありません。

それはまず現眼鏡の測定を担当した人は、弱い方が近見の負担
が少ない「だろう」という思いこみの「憶測」があったワケです。それ
はそれで単眼理論で間違いではないのですが、眼鏡は両眼視の状態で使用するのです。しかもこのかたはある程度の外斜位があるので、万が一、度を落とすならプリズム補正が必要だったわけです。

ただし今回2.0PBIという弱い補正量ながら、歪曲収差と
距離感が近く感じられるため、それは選択されなかった。

たまに成人に対しても迷信のように、
「常用眼鏡は0.7~1.0ぐらいで」という感じで信じ込んで
いる検査担当者やユーザーもおられますが、ケースバイケースで
あって、すべにはあてはまらない事は言うまでもありません。
むしろこのかたの場合は、度を単純に弱くしたため、S度による
調節性輻輳の刺激が減少し、融像(各眼の情報まとめ)のために多
くの負荷が掛かり、それによる筋性眼精疲労的な状況になってし
まっていたと考えられます。またこのぐらいの度にある調節
効果も加味しなくてはいけません。よって珍しいケースではありません。

測定の結果によって逆に弱くして良好なケースがあります。まさにケースバイケースです。

それから両眼視機能測定は何が何でもプリズムを入れるため
の測定ではありません。換言するなら、完全矯正度数に対して
どのくらいのさじ加減をするか(プリズムを入れるかどうかを
含めて)という値を得るための測定と言えます。

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